昨日の午前中、熱海市伊豆山で豪雨による土石流が発生し、犠牲者も何人か出ているようです。
お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方にお見舞いを申し上げます。
今回、土石流が発生した流域の尾根筋にはメガソーラー発電のため広範囲において木々が伐採されていることが航空写真地図でもわかります。
もちろん、これが原因と断定されているわけではなく、因果関係は慎重に調べる必要がありますが、一般的に森林伐採によって山の保水能力が低下し、土砂災害につながることは指摘されるところです。
隣の平群町でも48ヘクタールのメガソーラー計画があり、今年3月に住民が奈良地裁に工事差し止めの請求をしています。
一度は県が許可を出して開発が始まりましたが、6月の奈良県議会において、業者の申請内容に虚偽があった(勾配を一律18%としていた)として知事が法令基準に従わない限り工事の再開を認めないと表明。現在は工事がストップしていますが、すでに森林は伐採されてしまっています。
私も昨年9月のいこま市民パワー(株)に関する質問で、いくら地産エネルギーを獲得するといっても間違ってもこんな電気を購入しないようにと釘をさして、小紫市長も市民の信頼を裏切らない経営をするのは当然と回答しておられます。
しかし、ここにきて別の懸念が浮上。
森林ジャーナリストの田中淳夫さんのルポ「
太陽光発電建設の現場」に、この平群町の現状が報告されていますが、伐採した木材のうち丸太の部分はきちんと選別して積み上げているのでバイオマス発電所に持っていくのではないかとのこと。
そうなると想起されるのはいこま市民パワー(株)が電源調達しているグリーンパワー大東(株)です。平群町から最も近い木質バイオマス発電所ですから、ここに搬入される可能性は極めて高いと思いますが、仮に搬入されるとしたら、いこま市民パワー(株)の電気は、隣町の住民が反対するいわくつきの木材を発電源とするということになってしまいます。
そして今年度からいこま市民パワー(株)が、これまでの大阪ガスに代わって会社の大部分の電気を調達している東京のみんな電力(株)の電気は、グリーンパワー大東(株)からも調達されています。
木質バイオマス発電、再生可能エネルギーといっても、その木材の由来によってはとても罪深い電気となりますが、いこま市民パワー(株)や出資者の生駒市はそこまで気にしているのでしょうか。
平群町の住民が反対するメガソーラーを建設するために伐採された森林を由来とする電気を市役所や市内事業所、市民が購入したりすることのないよう願うばかりです。